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美しさとは何か-2

マイタウンあさひ7月号に寄稿しました。

今年4月、大工の見習いとして入社した若者がいます。
彼は求人広告も出していない弊社古民家ライフのHPを見て連絡を寄こし、さらにインターン期間を経て入社した強者です。
ものつくり大学出身の彼は卒業制作で古民家の1/5軸組模型を造りました。それが大学の代表として東京ビックサイトに展示されることになったのです。
軸組模型は飾られた後、いらなければ処分されるということでしたので、それならばみんなで見学し、解体して持ち帰ろうということになりました。
にわかに始まった軸組模型の救出大作戦!!
大きなバンを借り、全員でビックサイトに向かいました。
実物は写真で見て想像していたものよりも大きく、これをコツコツ一人で悩み、考え、組み上げた彼の情熱を感じるのには十分すぎるほどの作品でした。
まぁ、学生のご愛敬かなと感じるところは多々ありますが、いずれかの機会にお披露目したいと考えています。

その帰り道、全員でどうしても寄りたかった場所があります。
それが日本民藝館。私は20年ほど前に一度訪れているのですが、そこに展示されているものを見ても正直その当時の自分にはさっぱり分からなかったのです。それは20年前の自分との対話でした。
民藝運動を提唱したのは柳宗悦、河井寛次郎、濱田庄司。
名もなき職人の手から生み出された日常の生活道具を「民藝」と名付け、美術品に負けない美しさがあるとしたのが民藝運動です。
私がまだ民藝運動を知らない頃、古民家の写真を見たときに感じたものはきっとそういう事だったのではないかと自分では思っています。名もなき棟梁が地元の使える材料を使って組み上げた古民家。私はそこに美しさを感じていたのです。
決して派手ではなく、装飾的でもない。生活の必要の中から生まれ健全な美しさ、「用の美」。
今回の訪問では職人さんの息遣いや、それを見つけた時の3人の興奮までもが伝わってくるようでした。

私は自分の中に確実にしっかりとした根がはっていたことを確認し、新たな意気込みと共に帰路につきました。